職場で親しくなっても、友達を作る場所ではないと知った。
ある大手企業にパートとして勤務していた私は、一人の女性と気軽に会話をする関係になりました。
そして、同じ部署に配属されたのです。同じ部署と言っても私はPC関係とその他事務をしておりました。
本当はPCもできた方が何かと業務上は都合が良いのですが、彼女はPCが出来ない事を隠していたのです。
私は責任者ではありませんので、そのような事は問題視しておりません。差別することなく一緒に仕事をしていました。
私が42歳の頃で、彼女は10歳年下で独身でした。最初は数名の女性と食堂でお昼を共にしておりました。
そのうち、彼女が私に個人的な家庭内の事を詳しく話すようになりました。
その内容と言うのが、両親は離婚しており、離婚の理由は工場が倒産したからだと言います。
借金の取り立てが母親に来ないようにとの事で離婚をしたらしいのです。
しかし、既に彼女の母親は連帯保証人になっており、毎日取り立て屋が来たと言います。毎日怯えていたと言います。
今まで社長の娘として育った彼女の環境は一変してしまったのですね。彼がいた頃の事を懐かしんでおりました。
スキーに行った経験もあると言っていました。
私の家庭はごく普通の家庭で育ちましたが、結婚をして中学生と大学入試をひかえた息子二人がいました。幸せでした。
ですが、学費の為に仕事に出ていた私なのです。彼女は母一人なので働いて少しでも母親の助けをしていたと思います。
私達には共通する話題はありませんでしたが、何かと私にくっついて来て、親しそうにしてくれるので歳の差があってもテレビ番組の話題で盛り上がったりしたものです。
ところが、あまりにも彼女の家庭内の事情を私に話してしまった事を、彼女は内心では後悔していたのです。
私が、他の女性達に口外しないか?心配になったのだと思います。
私の勤務は扶養範囲の勤務なので4時で帰宅しますが、彼女は5時まで働きます。この1時間の差で事態は変化したのです。
私の存在に恐怖感を抱き、何とか私を退職させたかったのでしょうね。そんな事など気付きもしない私でした。
翌朝、会社へ出勤した時、社員の女性の態度があまりにも冷たく、「あなたって、ひどいイジメをしていたのね。」と言われました。
何の事やら見当もつかない私でした。昼まで、仕事をしていたのですが、上司に呼ばれて「社員と上手くいっていないのか?」と尋ねられました。「私にも理由が分かりませんが、信頼されなかったのは私のせいって事で、言い訳などする気持ちはありません。」
と言って、即座に退職をした事を覚えています。社員が彼女の「嘘」を信じて、私は信頼されなかったという事です。
このような場合、一々説明したり、ほじくったり、水かけ論のような事をしたくない私は潔く立ち去りました。
後は他の同僚から連絡があり、彼女はクビにされたと言います。私の心は晴れませんでした。
何故なら、作りばなしをして、ハメられたとは言え、人を信じられない彼女を哀れに思ったのです。
自分を守る為に、不必要な「嘘」を付いたのでしょう。職場では友達を作るところではないのだと知りました。